【SW2.5】クソデータ診療所 タンノズウィークリング編

5周年を迎え、今なお増え続けるソードワールド2.5のデータ。その中にはクソデータと呼ばれる、使い道のわからないデータが存在する。そんなクソデータを治療し、なんとか使い道を考える、人はそれをクソデータ診療所と呼ぶ。(※あまくだりさんのクソカード診療所のパロディです)
本日の患者を紹介するぞ。どうぞ。『タンノズウィークリング』くん。2021年6月に発売されたアウトロープロファイルブックで登場した、PCの種族として選択できるデータの一つだ。海辺や川辺に生息する、蟹の手をもつ蛮族タンノズの中でも、穢れが少なく迫害を受けている種族であり、そのために人族社会においても見ることができる種族だ。
では早速データを見ていこう。
病状
○蛮族の身体
人間のステータスに加え、精神力が3点上がる。弱点として物理ダメージ+2を得る。
○水中適正
水中でもペナルティを受けない。
○甲殻の手
右手を格闘武器〈甲殻爪〉として扱える。器用度が基準値の両手を必要とする行為判定に-2のペナルティ修正を受ける。
なるほど、これは重症だな。
まず、弱点が物理ダメージなのが非常に重篤だ。ソードワールド2.5というゲームにおいて、魔物側のダメージを出す手段の多くは物理ダメージになっており、この弱点が適用されるシーンがあまりにも多すぎる。確かに、蛮族の弱点は弱点隠蔽判定によって無視することができると言いたいところだが、ボーナスをもらっているところは精神力であり、ほとんどの場合弱点を開示されてしまう。一人だけすべての魔物の打撃点が2点上がるという縛りプレイをしているに等しく、最も打たれ弱い種族の一人だと言えるな。まず、前衛で金属鎧を着込んで戦うファイターを務めることはできないだろう。開き直って後衛で魔法を使用することもできるが、確かに精神力が少々高いものの、他のステータスは凡庸なので、物理弱点を抱えただけの、他種族の下位互換となりかねない。
加えて、甲殻の手もこの種族の可能性を狭めている。2H武器を持とうとすると、片手が甲殻の手であるために命中力判定に-2のペナルティ修正を受けてしまう。一方〈甲殻爪〉をグラップラーで使用しようと片手しか甲殻の手でないため《両手利き》での二回攻撃に対応していない。それに加えて、〈甲殻爪〉は加工ができないため、魔法の武器加工やアビス強化といった強力な効果の恩恵を受けることができない。
強みと言える水中適正も、そもそも水中での戦闘が地上での戦闘に比べて少なく、その恩恵を感じることは少ないだろう。水中での戦闘は、ソードワールド2.5はパーティを組んで戦うゲームである以上、全員が水中適正を持っていなければ避けたいはずだ。
総じて、①物理弱点で打たれ弱い②甲殻爪が使いづらい③水中適正の汎用性が低いと、非常に重篤な欠陥を抱えたタンノズウィークリングだが、今日はこの甲殻爪に着目し、なんとかタンノズウィークリングの強みを発揮できるビルドを考えていきたい。
治療
まず、〈甲殻爪〉は生来武器であり、命中+1、威力10、C値10の武器だ。これを生かすために採用したい第一の特効薬が『フェンサー技能』だ。
フェンサー技能はBテーブル技能で低い経験値でレベルを上げられ、しかも武器のC値が-1されるという特徴を持つが、必要筋力の半分までの武器しか装備できないという縛りのある技能だ。しかし、〈甲殻爪〉であれば、必要筋力が0であるために、その縛りを考えずに攻撃ができる。
また、生来武器である点と、命中+1の補正がある点にも着目したい。これが最も生かされるのは、初期作成環境だろう。初期作成環境では通常、《武器習熟A》を習得しても、金銭が足りずに武器を購入できない。しかしながら生来武器である〈甲殻爪〉は、〈甲殻鋭爪〉に無料で勝手に置き換わるため、初期作成段階で威力15、C値9の武器を手にすることになる。これは、初期作成のフェンサーが装備している武器が大体、威力8の〈レイピア〉もしくは威力10の〈サーベル〉であることを考えると、特筆できるアドバンテージとなっているだろう。
命中+1も、初期作成環境では大きく響く。命中バフがほとんど存在せず、相手に攻撃を当てるのに一苦労する初期作成PCにとっては、スタッフやメイスなど命中力+1のついた武器が最適解になりうる。しかしながら、スタッフやメイスはC値が12であり、クリティカルが発生しやすいフェンサーとの相性は残念ながら悪い。その命中+1の強さを、フェンサーであっても受けられる武器こそが〈甲殻爪〉だと言えるな。
さて、クリティカルが発生しやすい〈甲殻爪〉の強みをさらに引き出していこう。ここで採用したい第二の特効薬が【クリティカルレイ】だ。【クリティカルレイ】はアルケミスト技能で習得可能な技で、武器の威力表を振る際の出目をあげてくれる。Bランクカードを使うだけでも、C値9の武器であれば出目8でクリティカルが発生するため、強力な一撃を叩き込める可能性が高くなるな。初期作成環境では、アルケミスト技能を行使するために必要な〈アルケミーキット〉と〈マテリアルカード〉の代金が大きな負担となるのだが、タンノズウィークリングであれば武器にガメルがかからないため、負担なくアルケミスト技能を習得できるぞ。
最後に、タンノズウィークリングを使っていく以上、物理弱点と向き合わざるを得ないが、できるだけ物理ダメージを受けないですむようには、回避力を高めておきたい。そこで採用したい第三の特効薬が【ガゼルフット】と〈バックラー〉だ。【ガゼルフット】はMP3点を支払って回避力が「+1」できる練技で、〈バックラー〉は盾でありこれもまた回避力が「+1」される。これらを使って、相手の攻撃を寄せ付けずに立ち回っていこう。
ここまで技能を習得しても、まだ500点経験点が余っているが、これは探索系技能に費やすといいだろう。パーティにもよるが、最も相性がいいのは、敏捷度が重要となるスカウト技能だろうな。
物理弱点で打たれ弱い、甲殻爪が使いづらい、水中適正の汎用性が低いと、非常に重篤な欠陥を抱えたタンノズウィークリングだが、フェンサー技能に着目することで、初期作成環境では唯一無二の性能の武器を持っているという強みを持つ種族となった。他種族のフェンサーとは一線を画する火力を持ったキャラクターとして、活躍が期待できるな。
ビルド
最後に、ビルドを紹介しよう。
技能は「フェンサーLv2、エンハンサーLv1、アルケミストLv1、スカウトLv1」
戦闘特技は《武器習熟A/格闘》
練技【ガゼルフット】賦術【クリティカルレイ】
武器〈甲殻鋭爪〉 防具〈ソフトレザー〉〈バックラー〉装飾品〈アルケミーキット〉
そのほか、冒険者セット、スカウト用ツール、アウェイクポーション、マテリアルカードを購入しておく。
というわけで、本日の診察は以上だ。
世の中には、治療を待ち望んでいるクソデータ達が沢山存在している。データの組み合わせと冒険者のひらめきによって多くのデータを救う為、クソデータ診療所は今日も患者に向き合い続けるのだ。
(文責:エニシダ)